トップページ > Painter 野嶋奈央子 Naoko Nojima Blog

05
8月 13

優しさについて無知

私にとっての浪人時代は楽しかったことも多かったけれどもやっぱり暗黒の時代だった。油絵科は特に多浪が多いので自分だけが多浪ということでもなかったけれど、描いた絵にわかりやすく点数がつく世界でもないので(実際入試では点数つくようですが)土壇場の大逆転もあるし、まさかという人が受かることもあるし、ある一定以上のレベルに達していれば受かっても落ちてもおかしくないような世界で、私は混乱しっぱなしだった。

思春期みたいな年頃に絵でやっていこうとする自意識過剰な人間が、入試でばんばん落とされることに相当屈辱なのは勿論。1浪目で比較的いつも褒められながらも入試では全敗した私は、2浪目からまともには予備校に通わなくなった。気分で行ったり行かなかったり半日だけ行ったり小手先でさっさと仕上げて帰ったり、描いても楽しくも苦しくもない。

毎日のように描き終えた絵を並べて行う批評会は褒められても褒められなくても憂鬱で、いつも目立たないよう端の方に作品を置き、褒められたら「どうせここで褒められても本番失敗したら落ちるし」と思うわけだし、褒められなくても「やっぱり」とか思っちゃうし、後半は自分が納得いかない作品になってしまった日にはさっさと後片付けをして批評会と同時に姿を消したりした。卑屈なのではなく、受験の仕組みがとにかく嫌だっただけ。

つまり私は、繊細な(めんどくさい)問題児だった。

大手予備校だったのでクラスが専門学校並みにたくさんあって毎年クラス替えがあった。3浪目になるとずっとかわいがってくれてた(と思い込んでた)先生が違うクラスの担当になったので、なんで私はそっちのクラスじゃないのかとやや責めるようにたずねた。そしたらあっさり、おまえ何で落ちるのかわかんないしめんどくさいんだもんとの答えに、一瞬まっしろになった。でもそこで、ずっと担任だったけど自分のことは全く理解してくれていないと思い込んでいたN先生が私を引き取ってくれたという事も聞かされた。

N先生は、連続して休んでいると時々電話をくれた。けっこうそっけなく必要なことだけを伝えて切れるその電話は、当時の私には業務的なものに感じていたけれど、無理強いしない優しさだったのかもと今なら思う。お昼時にフラっと現れる私にいきなりランチを誘ってくれたり(当時は迷わず断っていたけど、普通は生徒は誘われない)、批評会を受けずにこっそり帰ろうとする私のところへきて帰さないように即すわけでもなく個人的に手身近に批評をしてくれた。

当時の私はこどもだったので、そういう大人をちょっとバカにしていた。仕事だと思って必要なことだけさらっとこなしているような気がしたから。とてもひょうひょうとした大人にみえていた。今になって、あれはむしろ気遣いや優しさだったのかと思う。

先日N先生の退職パーティーがあったけど、自分の個展のオープニングと重なっていく事ができなかった。本当はお礼を言いたかったんだけどね。
私は多浪しないで大学に入っていたら、たぶん今は絵を続けていなかったと思う。

人生うまくできている。


05
8月 13

偏っています

若い頃は今よりももっとずっと拒絶してしまうモノやコトが多くてこの先ワタシ生きていけるのかなーと思うような潔癖さがあった。そんな私も歳と共に色んなものを(むしろけっこう)受け入れられるようになり、ある程度の距離を保ちながらも案外広い人付き合いが出来るようにもなった。(と、思う。)

それでもまだまだ自分の知らない偏った世界があって、それが自分のそれと違う時に拒絶に近い反発をしてしまう自分がいる。

○○を当然してきた人と、○○があるのを知っていたけどそんなもん一部の人間のもので普通はしないでしょ?という認識で生きてきた私と、そうなると必然的に自分の周りにはしない人が圧倒的に多かったりして、○○を当然してきた人というのが別世界の話に感じてしまう。
そうして、当然してきた人と自分の世界との違和感が受け入れ困難な気がして拒絶してしまったりする。

この話をしていたときに、知人がすごくわかりやすい例えをしてくれた。例えば、ゲーセン感覚で○○をする人にゲームをしないし全く興味もない人がいるんだという説明をするのは難しいことで、たぶん、いやいや部屋では休日にゲームするけどゲーセンまでは行かないよとか、通勤時にスマホでゲームする程度だよとか、ゲームが凄く好きな訳じゃなくてなんとなくゲーセン誘われたから時間つぶしにとか、そういう話も出てきたりして、時間つぶしにすらゲームを選ばないぐらいゲームしない人がいるという事を伝えるのって難しいんだ、という話で。

例えば新しい職場で好みの話になって、映画も音楽もたくさん好きなものがある私だけど、世の中の所謂売れ線とはまったくかぶらないので、○○は好き?と聞かれるたびに前否定になってしまって、結局じゃあノジマさんは何がすきなの?普段何してるの?なんてこと言われたりするわけだけど、私からするとそういう売れ線のものだけの世界にいる人も偏ってて、でも私も同じぐらいに偏ってるってことなんだろうなということなんだけど。

つまり、○○を当然する世界にいる人も当然しないと思っている私も、どっちが多いからどっちが本当なんだとかの比率はどうあれ、結局同じように偏ってるということなのかなと。その偏りを完全に許容できなくてもその状況をまずは認めながら相手と話ができるほどの許容範囲をもちたいなあ、というのが今のところの結論!

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23
7月 13

展示終了しました。

先週で個展が終了しました。
お忙しい中来ていただいた皆様!本当にありがとうございます。
毎回展示のたびに色んなことを考え過ぎてしまうんだけど、個展で区切りをつけて落とし込んで一度外に出す、ということが自分にとっては大事な工程なんだと思います。

今回はバーでしたが、展示空間はけっこう広くて自由で一階のお店部分とは違う雰囲気なので、バー空間の合間にちょこっと飾るというよりも、展示として独立したものになったと思います。
ギャラリーの白くてクールな空間とは違う部屋っぽさが逆に新鮮で、自分の殻の中というか、引きこもりの部屋というか(いい意味で?)そんな気分で作品を飾っていくのは今までにない感覚で楽しかったです。

準備期間から何なんとなく気持ちが落ち着かなくて辛いことも多かったのだけど、展示を終えてみて作品自体も制作の仕方や見せ方にも色々と自分の中での意識が変わるものになりました。
人生や自分の作品が今後どんな風になるのか今は全然見えないけど、なんだかすごくスッキリしています。

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12
7月 13

第一印象と違うの?

昔からずっと頻繁に感じていることで、人に対して抱く第一印象が最終的に1番正しいのではないかというのがあります。(よい意味でも悪い意味でも。)
途中で意外な面や思ったよりも○○かも、、、みたいなことがあって、だんだん第一印象と違うような気がしてきて、人は見た目じゃないとか、第一印象は当てにならないなんて思ったりしちゃっても、結局最後は自分が最初に直感で感じた相手の印象に戻ってくるから不思議です。逆に、最初は苦手と思っててもいいところもあるなーなんて見直して油断していると、結局最初に自分が苦手だと感じていた部分がみえてしまったり。
意外な面の方につい反応しちゃうのから、最初の印象と違うところがあると強く感じてしまうだけで、実は見た目に(その見た目から自分を通して受け取る印象に)だいたいの情報は現れているのかもしれません。

恋愛においても、一目惚れで結婚した夫婦は別れにくい(なぜか男性からの一目惚れの場合)という話を聞いたこともあります。
自分の目を通して自分が直感的に得る情報ってけっこう当てにしていいんじゃないかと思っています。むしろなんとなく自信がない時に、直感よりもよけいな理屈で考えようとしちゃうのかもしれません。

というのが、、、印象と中身が違うとよく言われる私の言い分です。


05
7月 13

“ののの”の、の

月日が経つのは早い、なんて話をよくしていると、いやいや絶対にあなたなんかよりももっと私の方が早く感じているんだから、なんてムキになって言いたくなってしまう。というぐらい、気づいたら月日が経っている…。

今年も気づいたら半分終わりました。そんなこと考えてこの半年のこと思い起こすと、私って焦って生きているのかな、とふと思いました。何にというよりも、いちいち答えを早く出すことそのこと自体に焦っているような。毎月月末に、あー今月もまた何もなし得ないまま過ぎ去っていくなんて、いちいち感傷的になります。

さてさて、そんなわけであっという間に個展がやってきました。明後日土曜日から新宿ゴールデン街のバー「グリゼット」というお店での個展です。

新宿ゴールデン街というところへ行ったことがない人はピンとこないかもしれないのですがちょっと濃い飲み屋街です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/新宿ゴールデン街
私が初めて行ったのは学生時代で、街をあげてのアート系のイベントをやっていた時でしたが、当時はまだ会員制のお店も多くて一見さんはもちろん美大生のガキンチョなんて入れないような雰囲気で、実際そのイベント自体も色々問題があり続かなかったようです。それからしばらくたって30歳近くなってから、編集者や知人のラーメン屋や映画関係の友達に連れられて時々行くようになりました。

今回展示をするグリゼットというお店は二階の部屋で展示ができるようになっていて、今までの所謂ギャラリー空間とは違って普通の家のこじんまりした部屋という感じ。お酒を飲む場所だということもあり、いつもよりも軽めの絵画作品といつもよりも前に押し出した言葉を使って、部屋全体が自分の頭の中のようなイメージになるように展示する予定です。(実際展示作業したらちょっと違うかも?ということになるかもしれないけど、、)

どちらかというと今まで私の場合は、展示の仕方や作品説明などが淡々としていたり、あまりわかりやすく情報を出さない方なのですが、今回はわりとその辺も違った形でやってみるつもり。さてどうなることか。もう明後日だけど、とにかく最後まで気を抜かずに準備をしたいものです。(まだまだ準備は続く!)

よろしくおねがいします!
グリゼットのブログ http://grisettegoldengai.blogspot.jp/2013/06/blog-post_24.html
展示の詳細 http://naoko-nojima.com/blog/info/

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