Painter 野嶋奈央子 Naoko Nojima Blog > 好きなモノやコト

好きなモノやコト


1
3月 13

すきなものやことで埋める

よい映画を見るとしばらくその世界の中に浸っていたくなる。
というわけで最近のお気に入りはこれです!

http://moonrisekingdom.jp/index.html

↑ムーンライズ・キングダム

好きな映画の説明をするのが苦手というか好きではないので、あまり説明はできないけど、ストーリーは勿論、色やシーンに印象的なものがたくさんありました。(最初の出会いや、浜でのダンスのシーンなどなど、あげるときりがない。)

いい映画を見たり好きな音楽に出会うと、自分の制作と比べて考えてみたりします。
映画ならば、監督がどこまで自分の「好き」で埋めていくかというところを想像するのだけど、映画の世界は色んな人が関わるので実際現場ではそう簡単なことではないだろうなとも想うけど。。
でも私の好きな映画は、先ず第一に作ってる人間の「好き」をつっきってる感じがするもの。

時々むかーしなんとなく言われた言葉を思い出すことがあって、制作については浪人時代に言われたことをいまだによく思い出すわけですが。浪人時代の私はけっこうな困った感じの扱いにくい学生でした。(たぶん。)
すごく堅い性格だったので「基本」から抜け出せない私に、当時の担任が敢えて担任でない先生に 私の絵を見てやってくれと頼んで、ほとんど面識もない先生に言われたこと、、

もう基本はじゅうぶんだから、のじまは本当に好きなものだけで画面埋めてみればいいんだよ。

今でも、迷って惰性で手をうごかしたり無意識で何かの影響や流行みたいなものに流されそうになったら、そのときに言われたことを思い出して勇気がでます。

本当に好きなものだけですみずみまで埋める。
絵画という個人作業だからこそ出来る贅沢で幸せなことだけど、意識しないと意外にできないこと。そして、それって愛のようなものだな、とも思うのです。

 


30
8月 12

ひっそり存在する本屋の話

 

隣駅の商店街に大好きな本屋がある。
大型の本屋さんの新書がどばっと山積みな感じもワクワクして好きなんだけれど、
この本屋さんはどこの商店街にもひっそりあるような昔ながらの小さな本屋さんで、
いつも手編みの帽子をかぶったおばあちゃんが店番をしている。

このお店の好きなところは、
このおばあちゃんと、
置いてある本の種類と、
オリジナルのデザインがプリントされたブックカバーと、時々おばあちゃんがくれる手編みのしおり。

置いてある本は新しいものも相当に古いものもあって(私が生まれる前の本も!)
古本ではないのに古本屋でしかみかけないのではないかという色あせた味のある本が置いてあるので、その中で掘り出し物を探すのはなかなか楽しい。
文庫本の並びを見てもこのお店の好みを感じる品揃えなので、人の家の本棚をのぞいてるようで面白い。
たぶん一般の大型書店は売れるものをシッカリ選んで並べる訳で、だからこういう品揃えはなかなか見かけないもん。

おばあちゃんは編み物で残った毛糸を使ってかわいいお花のしおりを編んでいて、
その色合いがまた素晴らしく素敵で、本を買うとそのしおりを時々くれる。
そして買った本をみて、お会計をしながら何かしらのお喋りをする。
手塚治虫の漫画を買った時には
「今の日本を見たらどう思うでしょうね。原発の問題だとか、手塚治虫が生きてたらどんな漫画を描いたでしょうね。」と言っていた。

時々しか行かないけれど行くたびに本が少なくなってる様な気がして、
いつかこの本屋さんがなくなったらどうしようと勝手に不安な気持ちになるけれど。
でもそれとは逆に、
少なくなってあいた本棚スペースにカワイイ飾り付けがされていて、
それはそれで楽しみだったりもする。

便利で頻繁に使うお店と、時々しか行かない大事なお店と。
商売として考えると私の感傷的な気持ちなんてとっても勝手なんだけれども、
でも私が普段から描きたいと思っている絵は、
きっと便利な大型店ではなくてこういう小さな本屋さんみたいな世界なんだろうなと思う。


9
10月 11

詩と図書室と

ロシアの詩人の話を聞いて、すっかり忘れていた小学生の頃のことを思い出した。
ロシアでは詩や詩人の存在がすごく大事にされていて、小学校では詩の暗唱を必ずするという話だったけど、
そういえば私の学校でも担任が国語教師の時期に詩の暗唱をさせられていた。

子供の頃の私は勿論、漠然とその授業を受けていた。
しかも人前で喋るのが大っ嫌いで滅多に手を挙げて意見を発表しない子供時代の私にとって、
みんなに囲まれて立たされて詩を暗唱するなんて、今想像しても心臓がばくばくする。

それでも詩の授業は好きだったし、毎回暗唱用の詩を先生が選んで来るのを楽しみに待っていた。休み時間は、友達と喋ったり遊んだりもする一方で、時々図書室に1人で行って詩を読んでることもあった。
当時のお気に入りは、いわさきちひろのイラスト集に色んな詩がそえられた全集で、何度もそれを読んでたな。

私の作品ではタイトルについて言われる事が多い。
個展の時には詩のようなテキストを必ずそえている。
意識としては詩ではないつもりだったけど、今思うとあの頃の詩の授業の影響が大きいのかもなーと。

今なら先生に会って、あの頃の詩の授業が私にどんなに大きな影響を与えたのか、伝えられたらいいのにとも思う。無意識的に人に与えてる影響って計り知れないなとも。

今でもなんとなく覚えているのは、北原白秋の『落葉松』、中原中也の『冬の日の記憶』、草野心平の『蛙のうた』。
『冬の日の記憶』の暗く荒れた世界、『落葉松』の寂しい風景、『蛙のうた』の不思議なリズム、こうして何十年もたってるのに、詩の中の空気感を思い出せるんだからことばの世界ってすごいと思う。

そして授業で最も面白かったのは1行詩。
さっきネットで検索してわかったのだけど安西冬衛 の 『春』という詩らしい。

”てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った。”

この1行を巡って何時間もみんなが解釈を発表し合う授業だった。
先生、あの授業が大好きでした!

 

 


30
12月 10

ひとり反省会

大掃除で古い映画のパンフをみつけてずいぶん見入ってしまった。
映画が好きだけど、振り返ると今年も忙しくてあんまり観られなかったな。
それでも、今年の映画ベスト3のアンケートをまとめてるブログを見て、私も3つ選んでみることにした。

渇き
インセプション
十三人の刺客

昔の自分の映画の好みは繊細な感じや、思春期のような匂いのするものが多かったように思う。
近年はまったく違うものが心に残るようになって、今年選んだ上記の3本もそうだけど。。。
でもこれ、今年の自分をよーく物語ってる選択になったとしみじみ思う。

レンタルDVDでは、一度観たものを再度観てみようと思う事が増えたのは今年の特徴。
当時観た時とは違う部分に引っかかったり気づかなかったとこに気づいたりして 面白い。

それにしても、今年は忙しい1年だった。
勿論、というか終わってみると、やっぱり充実した実のある1年だったわけです。
人について、仕事について、この先について、愛について、ずいぶん考えた1年でした。
そしてたくさん展示の機会に恵まれた1年でした。

明日の今頃は実家に帰っている筈です。(飛行機が大雪で決行にならなければ…。)
そしてたぶん、雪を踏みしめ白い息を吐きながら、初詣に向かってる頃だと思います。
今年もたくさんに人やものに恵まれた1年だったことを感謝して、来年も自分に誠実に頑張りたいと思います。

良いお年を!


27
12月 10

どこかの風景

個展後は仕事が忙しくて昨日の休日は久々にアトリエに。
土地柄か日曜日はあのへんの会社もお店もほとんどお休みで、夕方は静まり返ってる。
昨夜はいつも以上に静かで、道路に置き去りの台車なんかを見かけるとなぜか妙に師走気分になる。

早いもんだとあれこれ振り返り、昔からやってるブログを辿ると昨年の今頃何をしてたか思い出す。
そういえばと思い出したのは、昨年の今頃に仕事で四谷のイベントに参加してた。
そして、そのイベントで絵柄が魅力的でとりあえず1つ買って帰った器のことも思い出した。
手持ちのお金が無くて1つだけ買ったのだけど、迷ったのに買わなかったもう1つの器が気になり出して、
それからネットで検索して結局それも購入したのでした。

http://miyamoto-taizandou.com/

勝手にリンク貼っちゃったけどここです↑

お皿の中にどこかの風景が描いてあるんだけど、少しシュールで夢の中の風景みたいに見えてくる。
この小さなお皿の中の小さな風景がなんだか忘れられなかったのです。

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