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咲かないつぼみ

グループ展が終了しました!
誰のために何のために絵を描くか、ずっとつきまとう問い。私の中ではもうずいぶん前から自分のため(自分の精神状態のため)という答えがあってそこは揺るぎないものの、じゃあ発表なんかしなくていいじゃんとも言われかねないけど、続けていくためのというか次に進むための区切りのようなもので展示を続けている気がする。

今回初めて出てきたモチーフが「つぼみ」。
花が好きで家も職場もいつも花を飾っているんだけど、百合や芍薬をつぼみで購入してしっかり水あげしても最後まで開かずに終えるつぼみというものがあって
多分収穫の際のちょっとしたタイミングや環境でたまたまどうしても咲かなくなってしまうのだろうけど。その咲かないままのつぼみの形にも様式美のような美しさがあるのでなかなか捨てられなかったりする。
先日、捨てる前に咲かないまま終えたつぼみをそっと開いてみた。すると中にはしっかりめしべやおしべが整っておりいつでも咲ける準備が丁寧にでき仕上がっていて、その美しさに更に感動をしたのです。

最近の私は自粛期間に仕事の時間が短くなり仕事自体も暇になって、家でモノを作ったり絵を描く時間が増えたことで何のためでもないただ作るという行為の気持ちよさに浸っていてすごく充実していました。だけど、誰かに何かを伝えたいとか感動をもたらしたい評価をされたいというのを糧にしてる制作活動は目指すところがはっきりとしていてある意味羨ましさもあり作品にも潔さが出ると思うし、目指す位置がないままでいることは悶々としたり作品にも迷いが多くなる。

でも、咲かなかったつぼみの中身を見て、自分の目指すところが少しだけわかった気がしました。
そんな新作のタイトルは「落下するつぼみの内側であたらしいコトバを聞いた」。咲かなかった百合のつぼみをそっと開いてみたときの感動を描きました。

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