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色のはなし

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色の話、というのは難しいと思っている。

過去に参加をしたグループ展の中で外の参加作家がやたらと色の意味を説明しているのが気になったことがある。
〇〇色はこんな気持ちや世界観を表している、というようなことを説明していた。
個人的な印象で色を説明するとどうしても安易に感じてしまう。

私は自分で「色の作家」だと思っていた時期がある。
かなり若い頃で、学生時代から色使いに対する評価を受けることが多かったからなのだけど、
色を選ぶときの一番のポイントは絵の具の素材感だ。

もちろん好きな色はある。ピンクと紫、作品で頻繁に使うターコイズブルーなど。
気づいたら身近に同じ色ばかり集まっていて、家はだいたいポップなピンクのものが多い。

作品に使う色は、
重ねたときの質感、透明感、絵の具自体の物質的な重さ硬さ、にじみ、そういう体感的な要素でしっくりくるものを選んでいる。

先日ピンクについて考える機会が与えられたのだけど
私のとってのピンクは女の子的でもなくぼんやりした位置にある。
作品の中では抜けの部分に使う。
使用している絵の具が垂れたりにじませたときが最もきれいな絵の具だから必然的に薄く使うことになり、結果的に抜けになる。
特に温かみも冷たさも感じない温度を感じさせない色だから余計な情報が少なくて抜けに使いやすいと思っている。

絵の具をキャンバスにおく瞬間の気持ちよさは、絵の具の質感、しみこみ、物質感や抵抗感で、色の気持ちよさは、塗り終えたところからじわっと感じられる。

こんな私でも高校生ぐらいまでは、全身黒などモノトーンの色ばかり身に着けていた。
描く絵もくすんだグレートーンの作風だった。
「南は色で、北は形」といいたことがあるけど、そのころ妙に納得したのを覚えている。

私はいつから今の色になったのか、今の色がほんとの自分なのかまだいまいちわからない。

 

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