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8月 30th, 2012


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8月 12

ひっそり存在する本屋の話

 

隣駅の商店街に大好きな本屋がある。
大型の本屋さんの新書がどばっと山積みな感じもワクワクして好きなんだけれど、
この本屋さんはどこの商店街にもひっそりあるような昔ながらの小さな本屋さんで、
いつも手編みの帽子をかぶったおばあちゃんが店番をしている。

このお店の好きなところは、
このおばあちゃんと、
置いてある本の種類と、
オリジナルのデザインがプリントされたブックカバーと、時々おばあちゃんがくれる手編みのしおり。

置いてある本は新しいものも相当に古いものもあって(私が生まれる前の本も!)
古本ではないのに古本屋でしかみかけないのではないかという色あせた味のある本が置いてあるので、その中で掘り出し物を探すのはなかなか楽しい。
文庫本の並びを見てもこのお店の好みを感じる品揃えなので、人の家の本棚をのぞいてるようで面白い。
たぶん一般の大型書店は売れるものをシッカリ選んで並べる訳で、だからこういう品揃えはなかなか見かけないもん。

おばあちゃんは編み物で残った毛糸を使ってかわいいお花のしおりを編んでいて、
その色合いがまた素晴らしく素敵で、本を買うとそのしおりを時々くれる。
そして買った本をみて、お会計をしながら何かしらのお喋りをする。
手塚治虫の漫画を買った時には
「今の日本を見たらどう思うでしょうね。原発の問題だとか、手塚治虫が生きてたらどんな漫画を描いたでしょうね。」と言っていた。

時々しか行かないけれど行くたびに本が少なくなってる様な気がして、
いつかこの本屋さんがなくなったらどうしようと勝手に不安な気持ちになるけれど。
でもそれとは逆に、
少なくなってあいた本棚スペースにカワイイ飾り付けがされていて、
それはそれで楽しみだったりもする。

便利で頻繁に使うお店と、時々しか行かない大事なお店と。
商売として考えると私の感傷的な気持ちなんてとっても勝手なんだけれども、
でも私が普段から描きたいと思っている絵は、
きっと便利な大型店ではなくてこういう小さな本屋さんみたいな世界なんだろうなと思う。

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