トップページ > Painter 野嶋奈央子 Naoko Nojima Blog

07
2月 18

ほんのちょっとの

おかしみ、

という言葉が近いかな、と思う。
私がこの言葉にピンときたのは、器の作家さんの展示等を企画している方のお話の中で
器の中にクスっとくるようなちょっとした『おかしみ』が感じると更に良い作品だと感じるというようなことだったと思う。

ユーモア、というものを履き違えている人はたまにいる。ブラックユーモアに置いてはもっと顕著だ。
ブラックユーモアには根本に愛のようなもの、もしくはほんのちょっとの救いがある。
ただの批判を毒舌だとかブラックユーモアだとかいうのは、なんだか違うなあと。

そこに、愛はあるのか、ということ!

ユーモアは、ガハハキャッキャとはしゃぐ無邪気なものとは少し違って、正に おかしみ、だと思う。
ほんのちょっと滑稽だったり、情けなかったり、くだらなかったり、必死だったり、皮肉を含んだり、そういう要素がちょっとだけ入っているんだけど、でもなんだか笑えるんだよなぁ、ってそういうこと。(だからユーモアには愛がある。)

優しさや思いやりもそうなんだけど。
ほんのちょっとのそれが感じられた時ほど、真の気持ちなのではないかと信じたくなるから。

映画でも、残酷な結末が嫌いだ。とはいえ、根本が暗い人間なので暗いストーリーは好きなのだけど、暗いとか厳しいだけの現実を描いていても、ちょっとだけでいいから希望を感じさせて欲しい。最後にきらっと光が差し込む美しい風景が、一瞬写るだけでもいい。逆に幸せなストーリーにほんのちょっとの毒があるとグッと来る。
ただただ残酷、ひたすら不運、なんとなく幸せになりそうにない雰囲気、そんなもんだけで物語を完結して満足しているのは、エゴかじゃないのかなんて思うし、そういう残酷さ全開なストーリーに簡単に泣けるのは、きっと幸せな人なのだろう。

学生時代の当初は作品を褒められる時にキレイだとか詩的だとか言われる事があったのだけど、そういう言葉をかけられると捻くれた私はそこにちょっとの毒を加えたくなる。そうして僅かな毒を盛っているうちに気づいたら、そのちょっとの毒が、画面全体に広がっていた。
以前作品について書いていただいたテキストの中に、一見鮮やかできれいな色なのに毒を持った虫のような作品だという記述があり、私自身もしっくりきた。

実際に私が一見もったりゆったりして見えるのに、毒のカタマリなのです。
だけど、其処(底)にほんのちょっとの救いやユーモアを持っているつもりだし、こんなに皮肉っぽく生きてるつもりなのに実際は間が抜けた事態に巻き込まれやすく気づいたらなかなか滑稽な人生でもあり、そのほんのちょっとのニュアンスが作品の中に(重みにだけ片寄らずに)もうちょっとだけ出てくれれば 気楽なのになぁと、思う訳です。


24
11月 17

アートフェア札幌

先日は馬喰町のグループ展へお越しいただいた皆様ありがとうございました!

グループ展は苦手だけど、今回は好きな小説『檸檬』がテーマだったので制作は楽しめました。

DSC_4466

爆発できなかった檸檬と爆発できない自分が向かい合っているような、そんな気分で大きな檸檬の先っぽみたいな山(のような檸檬)を描いたのですが、

爆発の時を待ちながら爆発できていないということは、もやもやもんもんを抱えながらいるので実はすごく大きな力を秘めているのではないか?とも思っております。

 

さて、明日から札幌のアートフェアに参加します。

http://www.artsapporo.jp/2017/fair/

ホテルのフェアは客室を使ったイベントなので、普段泊まらない限りはなかなか入ることのない客室に入れるのも楽しいと思います。

1403号室(Emigre Collection)にて旧作ですが思い入れのある箱のシリーズから出品です!

★クロスホテル札幌(CROSS HOTEL SAPPORO) 1403号室:Emigre Collection

★25(土)11-20時/26(日)11-19時

★入場料 ¥1000

 

地元北海道で作品をおひろめするのは実は初めてです。会場に行けないのは残念ですが是非この機会に足をお運びいただけると幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 


10
10月 17

来週からグループ展が始まります

梶井基次郎の『檸檬』を初めて読んだのは学生時代の国語の授業で、檸檬の温度感や質量や発色の描写部分はずっと鮮明に私の中に残っていた。

今回のグループ展は『檸檬は爆発の時を待っている』というテーマの元に、過去に働いていたギャラリーカフェで、それぞれある時期に働いていたメンバーたちのグループ展示。

https://www.art-eat.com/event/10th/

このテーマを与えられて久しぶりに檸檬の文庫を出してみた。読んだ当時、まだ自分が絵を描くことになるなんてわかっていなかった頃と、今現在の自分と、その2つの時間軸が歪んで絡みあった気がした。
祈る様な気持ちと軽い悪戯心で仕掛けられた、ごく普通の檸檬。
その檸檬が長い年月を経て私の目の前に現れた時、その変わらずそこに在る姿に自分を重ねた。

爆発できなかった、期待に反して爆発はできなかった。むしろ、そりゃ普通の檸檬が爆発しないよな、と、つまらん現実的な自分が今はいる。さしてドラマチックで面白いことなど滅多に起こらない事を知ってしまった。もうずーっと何も起きない日常のなか、悶々としながら日常的に日常を送っている。

結局、主人公が檸檬に託した悶々は、時空を超えても今の私の悶々となにも変わらなかったのだ。

そんな気持ちで今回の絵を描いたけど、決して後ろ向きでもない。自分を爆発からしばりつけていたものが自分の一部になってまとわりついている。私が必死に深刻ぶっても、それ自体はわりと間抜けでアクセサリーみたいに自分を飾って演出している。

この必死で間抜けな深刻にしばられてる姿が今の私なのだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『檸檬は爆発の時を待っている」

日程:2017.10.20(金)〜11.15(水)

- 火・水・木 12:00~19:00
- 金・土 12:00~21:00(20日は17時close)
- 日・月・祝休廊
- 最終日17:00まで

【★Bar檸檬】…期間限定でBAR営業があります
会期中の 金・土 18:00-22:00 (20日はのぞく)
(10/27、11/4、11/11はBar檸檬にて佐々木諒によるパフォーマンスあります!)

レバノンワインやアラック、オリジナルカクテルなどのアルコール類、タパスのご用意があるようです!

 


10
10月 17

あなたってなに?

自己紹介が苦手。それは多分、いつも私には「私(仮)」という意識がついているからだろうなと気づいたのは数年前。

その頃は実際に無職期間中で「(仮)」な状況だったので、自己紹介する場に出るたびもやもやしていた。

先日仕事先の常連さんに「あなたってなんなの?」と唐突に聞かれて「うーん、、、なんでしょうね」と答えた。恐らくわかりやすく言えば「画家(仮)」でデザインの仕事もするので「デザイナー(仮)」と言ってもいいかもしれないし、お店に立ってるから「接客業(仮)」みたいなものだとも言える。
この人、ホントのところなにやってる人なんだろう?と思われることは時々あるみたいだけど、自分でも確定しないままいつも頭の上に「(仮)」を乗っけて暮らしている。

昔からよく「○○さんの奥さん」とか「○○のお母さん」言われるのが嫌で、私は私よ!みたいな主婦の嘆きも聞くけど、未婚なのでそれすら無い。
デザイナーと言っても、素人なのになんとなくフリーで知人に頼まれたデザインしてお金もらって「フリーランスのデザイナーです!」って言えちゃう人もいるし、1度や2度勢いでグループ展でもやれば「アーティストです!」ってなっちゃうので、その流れでいけば「アーティスト」で「デザイナー」でもある。

また他の常連さんからは「○○はここでやってるの?」と聞かれて「もちろん!私は○○屋ですよ!」と答えたら、あなたは○○屋というより芸術家だと思っていたので…なんて言われてしまったり。

私から「(仮)」が取れる日は来るのか。


22
5月 17

風はなにいろですか

先日色の話を少し書いたのは、
最近取材を受けたピンクのことと、今月末から始まるグループ展の影響です。

■「風はなにいろですか Part1」 What color is the wind? part 1

 2017年 5月29日(月)~6月3日(土) ◎11:30~19:00(土曜日は17:00まで)

飯島千恵、市川真也、いのうえあい、大久保貴裕、岡島飛鳥、奥田恭子、小野木亜美、川上美里、鯉沼絵里子、佐立るり子、武弓真実、知久彗来、時田大輔、名越晴香、西尾周平、野嶋奈央子、野村紘陸、本田和博、光島貴之、宮本梨衣

◎ギャラリイK(京橋駅から徒歩2分/銀座駅から徒歩6分)
〒104-0031東京都中央区京橋3-9-7京橋ポイントビル4F
Tel/Fax.03-3563-4578
e-mail : galleryk@nifty.com
http://galleryk.la.coocan.jp/second/schedule/schedule.html

私はテーマが与えられることが苦手です。
と言うと、それは自由過ぎる性質だからだと思われがちですが全くの逆ですごく縛られるから。
完全に固定された具体的なテーマだと楽なのだけど、抽象的なテーマが本当に苦手で、
抽象的なのにしばってくるとなると元々硬かった頭がさらにがちがちに固まるのがわかる。
浪人時代に苦しんだのも、受験のデッサン課題に「想定デッサン」入り込んできた頃からだった。

そんなわけで苦手課題、更に普段が避けていた「グループ展」という形式なのだけど、
たまにはそれもいいかなと参加してみました。

私のがちがちに凝り固まった頭で風の色について考えてみて久しぶりに思い出したのは
生まれ育った街が盆地で内陸なので風があまり吹いていないという記憶。
実家をでてからもう東京のほうが長くなってしまったけど、いまだ夢にはよくでてくる地元の街の風景、
夢の中でも風はまったく吹いていないのです。

今回は小品1枚の出展です。
風で散って落ちた1枚の花びらをイメージして描きました。

銀座も近いので、展示を見ていただけたらついでに資生堂のギャラリーなど立ち寄って
無料配布の「花椿」を探してみてください。ちょこっとピンクについて話しています。

http://hanatsubaki.shiseidogroup.jp/magazine/309

http://hanatsubaki.shiseidogroup.jp/about/map/

 

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